MBA珍道中~ie business school class of 2017 (Jan intake)

三十路後半の僕が、日本から1万キロ離れたスペインで奮闘する様をお届けします

ie business school Report 10 Elective授業詳細

 

今回は150ある授業からshort exchangeを除いた、僕が履修した8科目についてご紹介する。たまたま僕は全部とりたい希望をだした科目をとれたが、結構投票でのポイントアロケーションに結果的に失敗して、再投票している人も多かった。全般的な印象は、Coreの時より、個別のテーマ設定が細かく、より実践で使いやすい内容が多い。

ちなみに、Electiveは選べるので、参考までに個人的な評価(5段階評価)もつけてみる。

 

ADVANCED STARTUP BUSINESS MODELS

セッション数・10/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:レポート

デジタルスタートアップのビジネスタイプについて分類し、ビジネスタイプごとの留意点、リスク&リターンの程度、競合の状況などを細かく説明していく。教授はスペイン人のエンジニアリングバックグラウンドで現役の投資家(VC)の方というのと、10回という最小コマ数での授業であるため、講義内容にまったく無駄がないのと、最新のベンチャーネタも多いので聞いてためになる。講義内容を基に、スタートアップを取り上げ、ビジネス構造の開設をするのがグループプレゼンテーション。ちなみに教授がCore PeriodのEntrepreneurial Venturingと同じ方で、とても人気Votingなので外れてる人も多かった。

個人評価:★5つ

 

BUILDING BRANDS WITH CONTENT MARKETING

セッション数・10/評価ベース;グループ・プレゼン&レポート、個人:レポート

コンテンツマーケティングについて深堀していく授業。コンテンツマーケティングがどんなタイプの企業に必要で、どんなタイプのものがあるか、最後のグループプレゼン&レポートでは学んだ内容を基に企業のコンテンツマーケティング戦略について発表する。教授はアメリカ人でシラバスを見た感じビジネスバックグラウンドはなさそう。そのためか、教え方がいわゆる少しAuthorativeな感じもした。(僕は気にならなかったが)あと、授業内容はベーシックは良いが、内容のアップデートが足りなかったので、要改善か。

個人評価:★3つ

 

GEOPOLITICS FOR BUSINESS

セッション数・15/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:レポート

マスターの授業にふさわしい格調の高い授業。前半ではビジネスでかかわる世界主要地域の地政学についてエリア別に解説するとともに、後半ではどのような要素(テクノロジー、戦争、外交政策)が現在の地政学に今後作用していくかを取り上げていく。グループプレゼンは各グループトピックを設定し、講義の内容を基に分析をすすめ発表する。教授はカナダ人で、過去投資銀行やコンサルにもいらっしゃったLBS出身の方で、とにかく毎回のリーディングの量も半端ない(最初のほうは60ページ以上)が、毎回の講義の内容も相当充実していた。

個人評価:★5つ

 

INTERNATIONAL MARKETING

セッション数・20/評価ベース;グループ・レポート、個人:試験

様々な企業が国際展開していく際に必要なマーケティング戦略を、地域が抱える課題、地政学、政府の動きなどから考えていく。アルゼンチン出身の教授が歴史好きなので、どうしても地政学に偏ってしまい、企業の国際展開についての講義が1/3以下になってしまうのが欠点。個人的には、Geopoliticsを取っていたので、もっと企業がどうGeopoliticsに対応して戦略を立てていくべきなのかを知りたかったのだが、前段に重きが多すぎた。あと、結構話の脱線も多く、好き嫌いが大きく分かれるところに。

個人評価:★2つ

 

LEAN THINKING

セッション数・15/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:プレゼン

今流行りの「Lean」についての概念と様々なビジネス業界にどう当てはめていくか、というコンセプト導入のための講義。エレクティブの割には、特定のジャンルにフォーカスせず、いろいろな業種でのLean method導入について学んでいく。改善や看板、現地現物、ムダなど、トヨタのオペレーションから発生した用語がオンパレードで、日本人が活躍しやすかった。最後の個人プレゼンも「Pecha Kucha」プレゼンテーションという、日本から生まれた「40スライド、6分、スライドは写真イラストのみ」というLean Presentation方式。教授はラグジュアリーブランドや工業機械等幅広い分野でオペレーションの経験があるスペイン人のエンジニアで、パーソナリティ豊かで面白かった。

個人評価:★4つ

 

MANAGING BIG DATA

セッション数・10/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:レポート

企業のマネジメント層候補生として、今後BIG DATAをどう向き合い、活用していったらよいかを指南してくれる授業。BIG DATAに関わるシステムやアルゴリズム、マシーンラーニングについての基礎知識を前半に叩き込まれ、この演習が個人レポートに。後半はBIG DATAと向き合う際に企業に起こりうる問題やその対処法について学ぶ。Advanced Startup Business modelと同じスペイン人の教授が担当するのでこちらも人気があり、Votingで授業枠をゲットできない人が続出。こちらも授業の内容に無駄がないが、10セッションに押し込むためにとにかく教授が話しまくる。

個人評価:★5つ

 

STRATEGY IMPLEMENTATION

セッション数・10/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:レポート

Core Term2で学んだCorporate Strategyをどう実行していくかを検証していく授業。どんな企業の業界、形態そして成長ステージにおいて、どんな戦略が有効で、どう実行すべきかをケースを通じて検証していく。教授はスペイン人のアクセンチュアでのコンサル経験がある方で、実際に戦略を立てるだけでなく、どう戦略をその企業に合った形で実行に移すかにこだわりがあり、戦略の立て方から、戦略をどう実行する環境を作るかというところに焦点を置いており、非常に興味深かった。

個人評価:★5つ

 

TECHNOLOGY & BUSINESS STRATEGY

セッション数・20/評価ベース;グループ・プレゼン、個人:レポート&試験

IT革命やBIG DATAの活用が叫ばれている昨今、どのようなITストラテジーがどのようタイプの企業に有効なのかを検証していく。社内外のどんなターゲットに、どのような目的で、どの手段で実行に移していくのかをIT戦略に絞って深堀していくのだが、昨今、IT戦略=コーポレート戦略ともなるので、企業の王道の課題を検証していく授業ということになる。Strategy ImplementationやBig Dataとの相性が非常によく、重複して受講したことで一部内容はかぶったものの、理解が非常に深まった。教授はMasterまでComputer Science,その後、Business AdministrationにてハーバードPhDを取ったニカラグア人で、恒にコンテンツも新しい内容に毎年刷新しているよう。ちなみに最終試験は、「初音ミクのビジネスモデル」に関するケースを読んで10個の質問!にこたえるという、今までで一番時間の制限がきついものだった・・・。

内容にアップデート

個人評価:★5つ

 

これで私の授業のレビューは最後となる。振り返ってみると、ケースはおそらく300個くらいは読んだし、ほかのテクニカルノート(用語や背景を深堀する補助教材)や教科書を入れると相当の情報をインプットしたうえで、授業に臨んだこととなる。もちろん、全部内容を丸暗記はしていないが、相当部分は自分の頭で考え、授業でクラスメイトとの発言を聞きながら自分も意見を述べていくので、ただ講義を聞いているより、よほど頭に残っている気がする。あわよくば、卒業する今の英語力が、最初からあったら学びがより深まっただろうな、とは思うので、これから受験される皆さんは、日本でできる限り英語力をあげていかれることをお勧めする。(特にリスニングと、スピーキング!!!!)