MBA珍道中~ie business school class of 2017 (Jan intake)

三十路後半の僕が、日本から1万キロ離れたスペインで奮闘する様をお届けします

ie business school Report 9 ショートエクスチェンジ in Elective

ついに12月に突入!まさに今週、卒業試験を終え、1つの科目のグループワーク以外はDoneとなってしまった。つまり、私のMBAプログラムが終わりを迎えつつあるのだ!

慣れないことの連続であったが、本当に1年間があっという間だった。

反省はブログの更新がままなっていなかったこと。

ブログの更新くらい簡単にできるだろう、とたかをくくっていたが、いざやろうとすると、日本語で自分で考えていることをまとめる作業が、英語での学校での勉強での作業と全くかみあわず、どうしても先送りしてしまうことが多かった・・・。

さて忘れないうち、今回はショートエクスチェンジについて、そして次回はエレクティブの各科目、そしてその次に卒業試験について書いていきたい。

10月第3週、エレクティブの選択科目の1つとして、グローバルネットワークウィークのショートエクスチェンジにて、チリ・サンティアゴのUniversidad Catolicaにて授業を受けてきた。マドリードから乗り継ぐこと18時間(直行便だと14時間)、初めて南米に到達した。初の南米に加えて、IE以外の世界のMBAプログラムから学生が集結するため、新しい出会いに気持ちが出発前から高まっていた。

 

このグローバルネットワークウィークについて、まずは説明したい。これは正式名称をGlobal Network for Advanced Managementと言われるプログラムで、世界の20校以上のトップレベルのMBAおよびMaster in Managementを持つ大学院が提携し、年に2~3回、1週間、お互いの学校に生徒を相互交換するプログラムである。ヨーロッパからはIE, INSEAD, IMD,HEC、北米からはHaas, Yale, Sauder、アジアからはHKU, NUS、そして南米からはCatolica, FGV(Brazil)、そしてアフリカからも主要校が参加している。それぞれの学校が、地域そして自校の特色を生かした特別プログラムを用意しており、事前にプログラムの内容を精査しながら、学校を選ぶことができる。

http://advancedmanagement.net/members/member-schools

 

学校の選考は、エレクティブの選択投票にてグローバルネットワークウィークに何ポイントと投票するか、また、そののちに提出する第3希望までの派遣先リストを基に総合的に決定される。そのため、中には第3希望までに調整できない生徒もおり、そういった場合は再投票期間内に他校への派遣を調整するか、また、短期交換をあきらめてほかの授業をとることになる。(エレクティブの投票システムは前回の投稿を参照いただきたい)

 

今回は10月にて、約15校の間で短期交換留学が行われており、この中で私はチリにあるUniversidad Catolicaを選んだ。理由は以下の通り。

  • プログラム

テーマが南米に特化したビジネスモデルを集中的に学ぶ「Business model in Latin America」であったこと。日本にいると、地理的にも遠いため、南米でどんなビジネス上の特徴や課題があるか、情報が入ってきにくいため、視野を広げる絶好の機会だと思った

  • ロケーション

この交換プログラム前まで、私は南米に行ったことがなかった。正直、1週間の交換プログラムであるため、プログラムでの学び以外にも、行ったことがないロケーションに行ってその国・都市の雰囲気を味わってみたい、と思っていたため、こちらもよいチャンスだと思った

  • 南米出身クラスメイトからの勧め

この要素が、実は相当でかい。事前に仲が良いメキシコ人、ペルー人のクラスメイトに食事をしながら南米ならどこの国に行くべきかを相談したのだが、初めて行くなら治安、文化、そして政治的にも安定しているチリが、日本人の僕には南米入門編としてはぴったりだとお勧めされた(実際、行ってみてそう思った)

 

 

本当は前後で数日、サンティアゴ周辺の観光を組み込みたかったのだが、前週の金曜昼にプレゼン、翌週の月曜朝10時半から授業が入ってしまっていたので、泣く泣く金曜授業後に出発し、日曜朝に帰国する日程で現地へと向かった。(うまく選択科目を調整できた人は、前後にて観光をしていた!)

 

プログラムは直前になって詳細が発表され、想像以上にインテンシブなものだった!朝8時半から13時くらいまでは毎日座学の授業が組まれており、午後はほぼ毎日、企業訪問がパッケージされていた。おまけに、毎日、グループ課題と個人の課題も設定されており、正直、平日は観光する余裕が全くなかった。(それを踏まえてか、プログラム開始前の日曜に、任意参加のデイトリップが組まれており、チリ出身のノーベル賞受賞作家:ネルダのゆかりの地であるイスラ・ネスラにクラスメイトと行くことはできた。)

 

午前中の授業は、ラテンアメリカ経済の基礎から、IEではなかなか読む機会がなかった南米企業を題材としたケーススタディ(LATAM, Arauco)とそのディスカッションを行った。印象深かったのは、チリがラテンアメリカの中でも、特異に経済・政治が安定しており、かつ国内マーケットが小さいため周辺国に企業が活動を広げていること、また、第1次産業(資源輸出)が今でも経済の柱であり、資源価格のアップダウンが経済状況にダイレクトに影響をもたらすこと、そしてそれが数十年かけてもなかなか変革できていない(製造業やサービス業が育っていていない)ことだった。

 

午後の企業訪問は、チリを代表する企業3つを訪問した。

-Entel (通信会社・元国営)

-AEGenes (資源エネルギー)

-CCU(酒・ソフトドリンク大手)

いずれの会社も、チリを起点に、ラテンアメリカワイドに企業活動を広げており、実際に経営層から彼らの経営戦略や課題を聞けたのは新鮮だった。

 

また、1週間ではあったが、IE以外の学校の生徒と知り合えたことも大きな成果だった。生徒は南米各国、北米、ヨーロッパとアジア(主に中国)からほぼ偏りなく集まっており、中にはIEのMIM(Master in Management/ MBAと似たプログラムだが、職務経歴を問われないもの)を卒業後にUnpluggedで長期交換留学している生徒も含まれていた。交換生の中にはパートタイムプログラムの方も含まれており、仕事をしながらMBAプログラムをどう進めているか、また各企業での職務内容などを伺うことができて、とても新鮮だった。

 

この短期交換プログラムの唯一のネックは、「交通費と宿泊費は自腹」というところ。人によってはMBAに大量にお金を費やしたのでこれ以上は無理!という方も当然いるだろう。ただし、事前に余裕があれば、この交換プログラムに参加した場合の費用を算出し、ローンを組むなど費用建てをすることを強くお勧めする。なぜならば、IEのプログラムは確かにダイバーシティあふれる生徒とともに学べる良い環境なのだが、何事も人間、10か月同じ環境にいると「慣れ」が来てしまうためだ。あえて新しい環境に挑戦してみるという意味で、

このショートエクスチェンジは、私は費用をかける意味があると思う。