MBA珍道中~ie business school class of 2017 (Jan intake)

三十路後半の僕が、日本から1万キロ離れたスペインで奮闘する様をお届けします

ie business school report 6 Term2授業詳細

 

先週、Term2のテストが無事に終了。土日+1日の休みを経て、間髪を入れず今週からLab Periodに突入。私は最終的にIMBA in Practiceにて企業研修での単位取得となったため、今は帰国便の機内から、授業の感覚が忘れないうちに、各授業の概要をまとめておこうと思いパソコンをたたいている。(同じことTerm1でもやっておけばよかった・・・)

 

Term2では、Term1(これは次回以降で自分自身のためにも振り返る)で学んだ基礎がある前提で、7つの必修科目を履修していく。どの科目もMBA卒業後のキャリアを考えるとないがしろにできるものでなく、Term2に比べると少し専門性も増してくるので、グループワークに慣れたものの、授業への準備が大変だった。特にケースの分量も増えたため、主要な授業では、Perticipationポイントを稼ぐべく、なるべく事前に教授から出されるReflection Question(授業のポイントとなるケースポイントへの質問)に沿って、手書きのメモをまとめるようにしていた。

 

個々の授業に関しては、以下に記載する。学校選びの参考にしていただければ。

 

Business, Government and Society(企業政治学・社会的環境(政府、市民)へのなすべき対応)セッション数・10/評価ベース・グループ:レポート、個人;小テスト

授業のタイトルが早速うまく和訳できず申し訳ありません。

これは他のMBAでも同様のプログラムがあるところが多いようですが、米国のエンロン問題(不正会計を主導したのは某米国有名MBA卒業生だった)以降、金儲け一辺倒を目指したMBAプログラムに大きな批判が寄せられ、その影響もあってできたプログラム。

教授はカナダ人ネイティブで政治学専攻PHD。資本主義社会である以上、企業の営利活動はある意味当然の経済活動だが、社会には企業以外にも、政府、市民の大まかに2つの構成要素があり、企業の活動はこれらの2つの外部要因から大きな影響を受けるため、この2つの要素を加味したうえでの営利活動が求められることをケーススタディとディスカッションを通じて学んでいく。僕は結構好きだったプログラムだったが、毎回ケースに関する小テストがあり、これがTOEFLの細かなことを聞いてくる質問風なもので、結構てこずった。

日本企業ケース:トヨタプリウス

 

Corporate Finance(実践的コーポレートファイナンス基礎)

セッション数・30/評価ベース:グループ・レポート、個人・小テスト、中間テスト、ファイナルテスト

Term2で一番のボリュームの本授業。基礎、とつけたのは、この授業がファイナンスバックグラウンドでない人も理解できるように設計されているため。(Electiveに入ると、アドバンスコースが出現して、結構履修するとえぐいらしい)また、実践的、とつけたのは、卓上の議論だけではなく、実際、授業でエクセルで計算式を解説してくれるため。一通りのファイナンスの基礎を30回でカバーするので、毎回トピックが入れ替わり、結構バタバタ。僕はまさにファイナンスバックグラウンドがゼロなので、エクセルでさくさく式を入れながらファイナンスを学んでいく授業の運営に違和感はなかったが、バックグラウンドがあった人にはややものたりなかったらしい。(欲を言えば、もうちょっと具体的な事例とか理屈も欲しかったが)

教授はスペイン人で、スペイン最大手の銀行の投資部門出資の方で、めちゃくちゃチアフルの方だった。質問すると結構細かく対応してくれて助かった。

 

Critical thinking management(ビジネス社会学

セッション数・10/評価ベース・個人:ファイナルテスト

これもうまく和訳できない・・・。

通常Critical thinkingというと、なんだか論理的な考え方を学ぶように思えるのだが、この授業はそのイメージとはだいぶ異なり、ビジネス哲学という位置づけ。古代西洋の歴史や過去のバブルの話等を題材に、どのような社会的背景から、企業が生まれ、人々はどのような過ちを繰り返してきたか、そこから学び将来の企業経営に役立てることができる要素を学んでいく。

教授は歴史専攻のPHDの方で、カナダ人・ネイティブで話すのも早く、かつ、ケースの分量がはんぱなく(1回60ページとかあったことも)結構しんどかったが、その分、内容は濃かった。ただ、ファイナルテストが、GMATの難化版並みのリーディングボリュームと設問のレベルで、成績はいまいちであった・・・。

 

Entrepreneurial Venturing(起業アイデア実践)

セッション数・15/評価ベース;グループ・プレゼン2回、個人・レポート

IEの看板であるアントレのTerm2授業。Term1ではアイデアの抽出までを実践するが、Term2では抽出したビジネスアイデアPDCAに入れて、実現可能なビジネスプランであるかを検証する方法論を学ぶ。また、実際企業を視野に入れたす人に向けたファイナンス方法の紹介や、企業内起業(intrapreneurship)等の講義も。ユニークなのは個々のグループごとに教授とセッションがあり、プレゼン前にアポをとって、ビジネスアイデアについて個別指導をもらえるところ。教授が実際のVCの方であることもあり、実践的なアドバイスがもらえてよかった。

 

Managerial Accounting(工業簿記)

セッション数・15/評価ベース;グループ・プレゼン、個人・ファイナルテスト

Term1では商業簿記を学ぶが、Term2は工業簿記。レベルは簿記2級くらいか。渡航前にTACで簿記2級講座を取っていたためそこまで内容に違和感はなかったが、TACで3時間×10回くらいでやっていたことを英語で、かつ時間数は半分くらいでやるので、毎回授業がめまぐるしい。あと、英語での簿記用語がわからず、毎回調べるのにあくせくしていた。

教授はパワフルなフランス人(と思われる)女性で、MBAでは珍しく、教授側から指定した生徒に回答を求めてくることも多く、ちょっと緊張感も漂う授業だった。

*日本企業ケース:日産

 

Operation(オペレーション概論)

セッション数・20/評価ベース;グループ・プレゼン

概論、とつけたのは本格的な工場等の操業作業シミュレーション等は行わず、様々な業界(工場からサービス業、スタートアップ企業まで)におけるオペレーションの仕組みと課題を探っていくという授業であったため。(これはクラスによって教授が違ったので、ばらつぎがあったっぽい)僕にとっては、バックグラウンド的にも、今後のキャリア的にもそこまで重要ではなかったので、このくらいのあっさりとした概論的な授業が心地よかったが、物足りない人もいたらしい。(そういう人は、Electiveでごりごりのオペレーション・シミュレーションがあるのでそれを取るのだろう)教授はフィンランド人で、とても物腰がやらかい方で、自分でもベンチャー企業を持っていて、オペレーションの担当役員とのこと。個別にそっち方面の相談をしている生徒もいた。

*日本企業ケース:トヨタ、ホンダ

 

Strategy(企業戦略論)

セッション数・20/評価ベース;グループ:プレゼン&レポート、個人・ファイナルテスト

個人的にはTerm2で一番好きだった授業。20回の授業で差別化戦略、新規参入戦略、スタンダート化戦略、多様化戦略、国際戦略の基礎を一気に学んでいく。基礎的な財務諸表の読み込みやマーケ知識が必要になってくるため、Term1のおさらいも兼ねている。教授はスペイン人で、めちゃくちゃ早口。というのも、毎回のケースが本当は倍くらいかけてディスカッションしたいくらいのボリュームだそうで、とにかくがつがつ理屈的な部分は進めてくるが、ディスカッション時間はできるだけ取ってくれる。また、企業戦略はこれが正解、というものもないので、異なるバックグラウンドの生徒の意見を聞くのも役立った。最後のプレゼンは、僕がリードして戦略を立てる係となり、結構時間がかかったものの、良い仕上がりになったと思っている。(まだ成績がでてないので評価はわからないが・・・)

*日本企業ケース;任天堂、P&Gジャパン