MBA珍道中~ie business school class of 2017 (Jan intake)

三十路後半の僕が、日本から1万キロ離れたスペインで奮闘する様をお届けします

ie business school Report1 CoreTerm 授業概観

まずは、隔週の更新を怠っていたことを猛省。

(先週、実はキャンパスビジットに来ていただいた方から、最近このブログを読んでいるという発言を伺い、約束どおり更新していなかったことを対面でお詫びした。)

 

完全に言い訳だが、ここまでバタバタしているのは久しぶりで、かつての会社の繁忙期を思い出す。古き良き時代は、夜中まで資料をむさぼるように読んで企画書を書いたりしていたのだが、そんな状況が海外の大学院に来てフラッシュバック。覚悟はしていたものの、久々にその境遇に置かれると、感覚を取り戻すのに時間がかかるのであった。

 

また、久々に不慣れなことの連続で、正直、慣れるのに体力を消耗していたのは確実だ。そもそも朝から晩まで英語で生活する環境も初めてだし、他の人もこれは同様だが、すべて周りが新しい人で、かつ様々な国の人たち。最初の2週目くらいまで、毎日学校が終わると、仮眠をしに家に帰らないと頭が重くなってしまう感じが続いていたのだが、最近、ようやく多少ペースをつかめてきた気がする。僕にとって、それだけIEでの新しい生活が久々にガチンコで向き合わなければならない「真新しい環境」であったといえる。この年で、日本ではなかなかできない、意義深く、ある意味スリリングな体験だ。

 

今回は、主に授業について書いていきたい。

 

前回の更新から1か月が経過し、授業もすでに明日から5週目に突入。IEは大きく3つの学期(period)に分かれており、一番長いperiodが1~6月まで展開されるCore Period(全20週)である。今週であっという間にCoreの1/4が終わろうとしているのである!Coreの中でも前期・後期(Term1/2)と分かれており、実際、今週から早々とTerm1の中間テストが始まってくる。すべての科目でテストがあるわけではなく、通常の授業が続くところは、すべての授業に必須!である予習(おもにケーススタディの読み込みと設定された問題があるものに対しては回答を用意する)も当然並行して行うこととなる。そのため、まさに今週末もテスト勉強と予習がダブルパンチとなり、GMATやエッセイに取り組んでた頃に戻ったかのように、外のカフェにパソコンを持ち出し、勉強にいそしんでいた。

 

ここで予習について。事前に聞いてはいたものの、日本の大学の授業とは異なり、IEもスペインにはあるものの、アメリカが作ったMBAの骨格を基にしたMBAプログラムである。それゆえ、基本的には予習はマストで、予習の文献に基づいた発言やディスカッションが授業の中心となる。それゆえ、予習しないと、授業に参加できず、最大30%を占める成績評価に大きく傷がはいることとなる。1授業・平均で15~30ページくらいのケーススタディや参考文献が提示されており、1日授業数がだいたい3コマなので、最大だと(ここまではめったにないけど)60~80ページ!も読むことになる。

いざ自分で取り組み始めると、最初のほうは力のいれどころがわからず、本当に時間も体力も消耗してしまったが、1か月経って、なんとか自分のペースをつかんできたところだ。だいたい今の平均予習時間は1日4~5時間といったところだろうか。

 

授業は、1日最大4コマ!(4コマだと、朝9時から夕方6時くらいまで、休憩は挟む者の学校にずっといることになる。平均1日3コマが目安)

基本、事前の課題に基づいた内容が展開される。授業の進め方は、教授によって千差万別だ。生徒の意見をピックアップして上手に議論を自分の方向に広げいていく教授、どちらかというと日本スタイルで教官として指導していく教授・・・。教授のバックグラウンドも国籍も多彩だ。

ただ、いずれにしても、アカデミックな内容を、なるべく実践のビジネスの場で応用できるようにカリキュラム化していることは強く感じる。無駄な理屈ばかりの授業は今のところない。

また、授業での何らかの参加(Participation)は求めてくる。これも、当然、ビジネスの会議で(日本ではOKだったりもするが)発言ゼロの参加者は意味がないのと同様、自分がそこにいる以上、自分の考えを共有し、クラスメイトに気づきを与える必要があるのだ。

このParticipationだが、日本とは異なり、アピールの意味も含めてどんどん手を挙げていく。正直、私はこれに最初あまりなじめなかった。

なじめなかった理由を分析してみると、まず日本でそんな光景見たことがなかったので、生理的に気持ち悪かった。(これは数週間経てば慣れる)もう一方の大きな理由は、瞬発的に手を挙げてあたったとして、ちゃんとした意見を言えるのだろうか、そして、それがクラスのほかの生徒の気づきに貢献できるのだろうか、という自分自身の英語力への自身のなさであった。

そのため、最初の1週間は、まずは授業を聞き取るの精いっぱいだったこともあり、静観を決め込んだ。そして、2週間目に突入して、ようやく英語の授業のリスニングに慣れ始めてきたとき、なんとなくクラスメイトの発言についても内容が精査できるようにもなってきた。そこでよくよく発言を聞いてみると、だいたい3つのタイプに集約されてくることがわかってきた。

  • 文献に書かれていたことを発言
  • 文献を掘り下げ、自分の経験と照らし合わせて新しい価値を提供する発言
  • 的外れな発言

当然、教授は③はいらないし、生徒も求めていない。が、挙手競争に打ち勝とうとした結果、③になってしまう生徒もちらほら出てくる。また、①は、はっきりいって、そこまで価値を持たない発言ととらえている教授も多い。なぜならば、文献を読んでいればみんな知っていることを発声しているだけだからである。

そのため、英語が下手ながらも、②を狙って、毎回の授業で何か言ってやろう、という作戦をとることにした。なかなか2週目は発言ができなかったのだが、3週目以降、なんとか各授業で、1回は②に近い発言をするチャンスはもらえるようにはなってきた。きちんと英語でうまく言えてるか?は微妙なことも多々なのだが・・・・。

 

そんなこんなで、この1か月は、とにかく授業中心の生活になんとか慣れる、ということで終わってしまったのであった。

 

次回は、そんな中で、並行して取り組んでいるグループワークや、ソーシャライズについての現状をまとめられたらと思う。

入学式を迎えて

本日、マドリード郊外で、世界遺産の水道橋が有名なセゴビアで入学式に参加してきた。

 

ようやっと今までの苦労が実り、スタート地点に立てる喜びと、昨日もランチでソーシャライズしながら、豪速・北米人英語が半分もわかっていない自分に焦りも感じながらIEでの1年の学生生活が始まる。

 

今日は、学校にいったん集合し、マドリードからチャーターバスでセゴビアへ。

 

たまたま隣になったロシア出身の女性が、昨日到着して緊張していたので、こちらも緊張しながらいろいろな会話を道中でした。彼女も豪速英語ではなかったので、コミュニケーションが円滑に進み、幸先の良い出だし。

 

到着すると、そこは系列のIE universityの校舎で、文化財に指定された教会の建物を活用したホールがあった。

 

到着後、ウェルカムコーヒーと題して、欧米流の「立食パーティ的な顔合わせ会」が始まる。

入り口で自分の名札と、出身国のバッチを渡され、すぐつけるように指示がある。すでに卓上に置かれていた国籍の旗は数え切れず、この時点で「本当のDiversityってこれなんだ」と実感。

正直、まだ相当不慣れであるし、たいていの日本人は知らない人に話しかけることに気が引けるものだが、ここは外国。当たって砕けろの精神で、自分が飲み物を取りにいく以外は、なるべくいろいろな人に話すようにした。ここで、11月から先行して行っていたスペイン語のクラスメイトの人脈が生きる!お互い知り合った人を、何等かトピックでコネクトしていくことで、お互いのネットワークを広げることができるのだ。当たり前のことだが、こうやって、お互い補完しあいながら、この一年、過ごしていくのだと思うと少し頼もしくなったし、自分もGive and Takeの精神を忘れないようにしなければ、と思ったのであった。

 

その後、入学式に突入。壮大な元・教会のホールで、学長挨拶から始まり、学部長(Dean)、来賓、在校生挨拶が続いた。ちょっとだけ残念だったのは、ホールが極寒(たぶん0度くらい)で、若干体調も崩していた私は、すべてのあいさつにまでは集中できなかった・・・。

 

入学式をおえると、ウェルカムランチ。これもコーヒー同様、立食パーティ形式である。ここでも獅子奮闘することになった私。日本人、そして話しかけやすいアジア人や南米の友人を使いながら、できるだけ欧米人にもアプローチ!していく。今回はその攻略法が結構効いたものの、毎回万能であるかは不明だ。

 

帰りのバスが出る直前に、ウェブ上にてこの後2か月の苦楽を共にするグループワークメンバーが発表となり場が騒然とする。パーティ会場ではいろいろな人とあいさつするものの、ほとんどの人は名前と顔が一致するまでにはいたっていないので、みんなだれが自分のグループかを混雑した会場で探そうと試みるものの、なかなかうまくいかないのだ。実際僕もその会場内でグループ員を見つけることができず、あとからワッツアップでやりとりをしたのであった。(なので、グループ員との対面は明日になってしまった)

 

マドリードの校舎に戻った後、待望の学生証をゲット。ここで改めてここから1年間の長くて短い自己研さんの旅が始まるのだと実感した。

 

本日をむかえるにあたり、自分への誓いも込めて、この留学で学びたいことを整理しておきたいと思う。もちろん、実際プログラムが始まる中で、目標がかわっていくことも大いにあると思うのだが、いったん、まとめをしておきたい。

 

  • グローバルなネットワークを作り、新しい視点を学ぶ

Term1/2にて、グループワークやクラスメイトを中心とした濃密な日々のやり取りに加え、適度なソーシャライズ(適度、がポイント)を通じて、彼らとのネットワークを構築するとともに、日本人や日本の企業がどのように彼らにとらえられているか、同じ事象に対して異なる考え方のアプローチをするのかを学ぶ

  • 新規ビジネス開発に必要な知見を身に着ける

Term3以降にて、Venture Labでのグループワーク、ベンチャーイベントであるAREA31へ参加、インターンシップ等を通じて、新しいビジネス開発に必要な知識や視点を身に着ける。

  • 語学力向上

英語:

すべての学びの基礎となる英語は、日常生活での会話に任せると自分の苦手分野が克

服できないので、毎日30分とか決めてやるしかないと実感。

スペイン語基礎:

学びたいが、これはどこまでできるだろうか、と不安になっている。まずは、毎週の語学のクラスに出る+αでの対応になってしまいそう。

 

また、Term1が終わったら、この目標の対してレビューしてみて、調整をしていきたい。

MBA受験期⑤IE business school受験

新年、あけましてお願いいたします。

なるべく隔週くらいで、今年ももろもろ所感を投稿していきたいと思います。

 

新年第1弾は、IEの受験のよもやま話から。

 

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Financal Timesでの16年ランキングは世界で12位、Entrepreneurship分野の16年ランキングでは8位(欧州1位)という私の進学先が:IE business schoolであるが、皆様どのくらいご存知だろうか?

 

正直、私は一昨年の11月(=つまりほぼ1年前)まで、自分の進学先であるIE Business schoolについて、ほぼ情報を持ち合わせていなかった。留学カウンセラー:木下氏からおすすめ学校として挙げていただいてたものの、留学予備校大手のA社のMBAイベントに出店していなかったことや、僕がスコアメイキングでばたついてしまったこともあり、学校調べがおろそかだったことも原因だった。

 

15年11月に、IEのホームページを見たところ、個別のInformative Sessionを募集していたので、参加してみることにした。面談していただいた方は、当時のアジア・パシフィック担当のAdmission Director。新宿のパークハイアットのラウンジにて夜9時に集合とのことで、仕事帰りにはちょうどよかった。また、時間帯的に、会場がムーディな雰囲気の中で、まじめに当然酒なしで!MBAの受験相談をするのはまたとない経験だった(笑)

面談は1時間程度で、英語で行われた。ここで、初めてIE Business schoolの特徴(Entrepreneurshipに重きを置いている/Diversityに富んでいる/相当Customizableなプログラムである)を知ることができた。

 

また同時期に、日本のAdmission Directorから、「16年1月intakeの方々の壮行会を行うのでよかったら来ませんか?IEの雰囲気を感じてもらえるのでよかったら!」とお誘いをいただいた。そもそも、スコアメイク真っ最中で、IEを受験できるか否かもわからなかったので、どうしようかと思ったものの、参加することとした。

壮行会の会場はおしゃれな青山のレストランで、16年1月に入学される10名くらいの方と、卒業生、スペイン大使館の方々に加え、いくつかの企業の方々が集まっていた。そして、私のように受験を検討していたApplicantも数名いたそうで、総勢30~40名だったと記憶している。最初はだれも知り合いもおらず、緊張を隠せなかったが、日本のAdmission Directorの方から同じ業界出身の16年1月入学生を紹介いただき、彼が彼の同級生を紹介してくれ、心がほぐれていった。どうやら、彼らには「Very Important Applicantが来る」とアナウンスされており、私がその一人ということになってしまっていたようで、IEのことをよくわかっていなかった当時の私は、焦りを隠せなかった・・・。

いろいろな方とお話をしていると、日本からの入学生も様々なバックグラウンドの方がいらっしゃり、Diversityに重点を置くIEらしさを感じた。また、卒業生の方も、何名かはすでに起業されている方がいて、まさにEntrepreneurshipを体現されており、刺激的な学習環境であることも想像できた。また、壮行会自体もとてもFriendlyな雰囲気であり、かつ、たまにMBAでみられるような、やたらガッツぎすぎる雰囲気がないところも好感が持てた。

 

その後、数か月間、GMAT修行のため、連絡をとれていなかったのだが、16年4月に

GMAT提出スコアを確定させた時点で、IEを第1志望とすることに決め、Informative sessionに参加した。今回はApplicant2名に対し日本のAdmission Directorの方が1名という形で、同じくパークハイアットのラウンジで昼間に行われた。もう1名のApplicantの方が外国籍の方だったが日本語が堪能な方だったので今回は日本語で、ということになり、落ち着いていろいろ質問ができたことを記憶している。ここで改めてIEの特徴を伺い、エッセイに落とし込むポイントを整理することができた。

 

また、その際にGMATスコア(620点)をお伝えしたところ、最低ボーダーは超えているが、IE独自の能力測定テストIE GATも受験してみて、その点数がよかったらそちらの点数も選考で加味します、というアドバイスをいただき、よく翌週に受験することとなった。テスト内容は、英語はどちらかというとGMAT RCロングバージョン、数学はGMATというより、日本の適正能力テスト:CAB/GABに近いものだったが、直接の対策問題集はないようで、ぶっつけ本番で臨むこととなった。(一応、調べるとイギリスの会社から対策ソフトが出ていたためダウンロードしてやってみたが、結果としては本物のテストとだいぶ傾向がことなるようだった)受験結果は、アドミッションに受験書類提出後、全体のどのくらいの位置にいるか(あなたは上位**%です、という表現)という相対評価のみが知らされた。僕の場合、これがGMAT点数の評価と加えてプラスになったのか否かは、正直よくわかっていない・・・。

 

実は当初、2016年9月intakeで受験していたため、ビザ申請を考慮すると(ビザはまるまる2か月受理されて許可されるまでかかる)、Admissionからは4月中に正式に出願してくださいと念を押されていたため、エッセイカウンセラーと4月の1か月間でエッセイを練り上げた。IEのエッセイは10本のテーマから3本を任意選択して作成するもので、3本の中で1本はいわゆる普通のテキストでのエッセイが求められるが、残りの2本は映像や画像など表現方法は自由であり、Applicantに求める書類からも彼らが打ち出す姿勢「MBA for out of the Ordinary」が見て取れた。ただ、僕は、短期間で文字以外にて自分をうまく表現できる自信がなかったので、3本ともにテキストでのエッセイを提出することとした。エッセイカウンセリングについては別トピックにて詳細を語ったが、元ネタがあるとはいえ、まったく英文がないところから、3つのエッセイ(それぞれ500ワード以上)に加え、いくつかのショートエッセイ、レジュメまでを一緒に完成させてくれたエッセイカウンセラー:Lauren氏には、本当に感謝している。

エッセイテーマは「今までリスクをとった経験」「あなたが尊敬するリーダーとその人とあなたが似ているところ、違っているところ」「卒業後、働きたい業界が抱えている課題とあなたなりの解決策」の3つにすることにした。

 

同時期に、1年暮らすことになるのだとしたら実際の環境を見ておきたいと思い、ゴールデンウィークにCampus Visitに行くことなった。日本オフィスのAdmission Directorの方が現地のAdmission Teamとつないでくれ、On Campusにて学校の説明と施設見学をさせていただくことができ、出願および面接前に、キャンパスライフのイメージを具体的につかむことができた。日本人在校生ともコンタクトすることができ、特に彼らからの得たプログラム情報や実際のDiversity, Entrepreneurshipにかかわる所感は、面接が面接にて学校の特徴を述べる際に、非常に役立った。また、学校の近くのホテルに滞在することで、マドリードでの学生生活も疑似体験することができた。

 

出願書類を提出してからの流れはいたってスムーズで、ゴールデンウィーク中に出願したところ、1週間くらいで面接オファーをいただき、その後1週間くらいでスカイプでの面接となった。

 

面接までの2週間の間に、エッセイカウンセラーのLauren氏に依頼して模擬面接を何度かしていただき、想定問答を何度も練習した。大変恥ずかしいのだが、35年生きてきて、まともな英語面接は初めてだったためである。面接当日は有給をとり、午前中は英会話スクールに1日特訓コースを受講、日本時間夜からの面接に備え英語で会話する感覚をなるべく持続させ面接に臨んだ。事前にCampus Visitの際に、在校生から面接内容についてはヒアリングしており、スカイプの場合、45分間で30問くらい様々な質問をされるというプレ情報を得ていたので、その対策をできるだけ練った。実際には、一通りの自己紹介、自己PR、志望動機に加え、時事ネタ、ケーススタディ、イマジナリー問題など多種多様な質問が矢継ぎ早に来る形となった。

 

あとから聞いたところによると、人によっては少数の質問を掘り下げて聞かれた方もいたので、人と面接方法(対面orスカイプ)でパターンを分けているような印象も受けた。

 

面接後、数日でgmailに合格通知が届き、僕のMBA受験が晴れて終了することとなったのである。

 

このように、IEとの出会い~受験は、本当に何かの運命に導かれたようであったが、人生重要なことの決定にあたって、このような神のお導きのようなものに従うことも必要なのではと思う。

 

 

MBA受験記④ How collaborative she is as an essay Counselor!!

1週間前にスペイン語授業も終わり、クリスマスから年末は約2週間のホリデイとなった。それぞれの国に帰省する人、友人と過ごす人、家族と過ごす人・・・。それぞれ明日から(厳密には9日から)始まる本プログラムに備え、英気を養っているだろう。

私も休暇でリラックスしつつも、この年になって、久々に高まる期待と緊張感を抱えながらの年越しを迎えている。

それにしても11月後半からの1か月は、本当にあっという間だった。

初めての1年の海外生活を迎えるにあたり、不安なことも多々あったが、この助走期間があったおかげで、割とスムーズにスペイン・マドリード生活を開始できたと思う。

ここで、ここの1か月の棚卸をしておきたい。

★できたこと

①スペイン留学にて必要な手続き

こちらに関しては、ほぼ完了できた。残りは、最後のNIE(外国人登録証)取得のための警察での指紋採取アポのみである。これは警察からのアポが戻ってきていないので待ち。すでに1か月待っているが・・・。

スペイン語の本当に基礎習得

15日間のスペイン語講座は、3か月間週1回・3時間で受けていたセルバンテススペイン語講座のおかげもあってか、思った以上に相当早かったスペイン語の授業になんとかついていくことはできた。

③スペインの生活リズム習得

実は、一か月先に滞在したこれも大きなメリット。ささいなことであるかもしれないが、昼食と夕食の時間が2時間ずつ遅く、朝食の前と昼食の間にティータイムがあることに慣れてきたの良いことだと思った。特に、朝食と昼食の間のティータイムがあるため、朝食で食べ過ぎると、せっかくのソーシャライズできる場であるティータイムでお茶だけで若干手持無沙汰になる。

★できなかったこと

①英語力UP

まだ本プログラムが始まっておらず、グループワークや授業が本格化していないため、スペイン語授業のクラスメイトとの会話+ソーシャライズが中心の英語での会話となるのだが、これらは、残念ながらそこまで自分自身の英語力UPにはつながっていない。本プログラム開始前に、少しでも豪速のネイティブ発音に慣れる訓練や、イディオム週などを眺めるなどして、足りない要素を地道に身に着けていくしかないと悟った。

スペイン語単語力UP

授業で一通りのベーシックな文法や単語を詰め込んだものの、単語の暗記がはかどっていない。本プログラム後は、どうしても一番後回しになりがちだと伺っているので、できるだけいまのうちに、毎日単語帳を見ておくなど、手を付けておくべきだと思った。

③酒をひかえる、自炊に慣れる

一週間に1回は禁酒しようと思っていたのだが、ソーシャライズ強化の結果(といいわけしつつ)、ほとんどできていない。つまり、外食が続いていて自炊もできていない。財政や健康を考えると、1月からは週末に作り置きする、断酒する、などこちらも戦略的に動くべきであると反省。

とにもかくにも、あっという間に走り切った1か月間であった。 

さて、ここから本トピックの本題、エッセイカウンセラーについて。

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16年4月前半にGMATに見切りをつけたため、早速IE専願のため、木下氏からエッセイカウンセラー:Lauren氏の紹介をいただいた。実は以前、TOEFLのエッセイ構成の見直しでも少しお世話になっていたのだが、彼女のパーソナリティ(指導にとても熱心で、かつフレンドリー)がとても好きで、エッセイカウンセリングも引き続きお願いすることにしたのである。実はこの時点でIEのJapan Officeに問い合わせしたところ、9月入学も目指すならGW前までに出願してください、と言われ、また土壇場なスケジュールであることが判明。1か月で完成させる前提でLaurenさんにエッセイ指導をお願いした。

 Lauren氏はカナダご出身の英語ネイティブな方で、コミュニケーションは英語で行う。ただ私が住んでいた首都圏に在住されていないので、通常はスカイプでの授業である。(たまに東京にいらっしゃる際、カフェでお茶しながら授業もしていただいた)TOEFLのエッセイ講座では、英語ネイティブが高等教育にて慣れ親しんできたエッセイの「フォーマット」から丁寧に教えてくれ、それが非常に様々なGMATやTOEFLの教材の読解の参考にもなった。また、今回の出願エッセイ内容は、実は木下氏とは日本語にて基礎を作ってしまっていたので、英語にブラッシュアップしていくシンプルな作業を想像していたのだが、先方のアドミッションの立場を想定し、Lauren氏は相当細かく内容構成まで踏み込んでアドバイスしてくれた。そのため、Lauren氏に相当のご負担をかけてしまったが、おかげで、英語で読んでも読みごたえあるとてもよいエッセイに上げることができた。

 

実はIEのエッセイは、学校がOut of the ordinary MBA programを標ぼうしていることもあり、少しほかの学校エッセイ出題傾向と異なっている。ベーシックな場合、「志望動機」と「キャリアプラン」の2つの方向性のエッセイをだいたい500ワード以内ずつで書きあげるのが定型だと思うのだが、IEの場合、10個あるエッセイテーマから好きなもの3つを選んで、それぞれが700ワード以上で(しかも3つのうち1つは文字での提出義務があったがそれいがいの2テーマは映像やスライド等での提出も可能!)という指定があった。それ以外にも小エッセイが3~4つあり、ボリュームも多かった。

私の受験した時のお題はさまざまなものがあり、確かImaginary Question的なもの(あなたが大統領だったらどんな政策をしたいか・・・)から、割とストレートな質問までバラエティに富んでいた。ただ、4月中にエッセイを書き上げないといけなかった私は、なるべく書きやすい以下の3テーマに絞り、すべてテキストでエッセイ作成を進めることにした。

*あなたが尊敬するリーダーと、そのリーダーと自分との相違点

*あなたが経験した一番大きなリスク                

*卒業後、働きたいと思う業界の抱える問題点と課題解決アイデア

Lauren氏とは初回のスカイプセッションで、これらのお題を共有しながら、それぞれのお題にどのような自分の経験を当てはめ、話を広げていくかという自分の戦略骨子を共有した。そこから、Lauren氏と追加すべき要素のディスカッションを行い、書き起こした英文エッセイをLauren氏にアドバイスをいただく、という作業を3~4回ほど繰りかえした。

このエッセイライティングは、私のGMAT受験生活の中で、実はいちばん楽しい作業だった。時間がないと焦りがちな僕であったが、彼女とのセッションは毎回とてもなごやかで、かつ会話も楽しい。この年になって、自分自身の振り返りをここまでストレスなくさせてくれるエッセイカウンセラーは、とても貴重な存在だった。

その結果、なんとか4月前半から書き始めたエッセイを、GW前までに完成させることができたのである。出願は、その後、GWにIEのキャンパスビジットを行うことにしたため、最終的にはリライトを繰り返し、現地滞在中にウェブで行った。

その後、面接に関しても、Lauren氏に何度か模擬を行っていただいた。エッセイを一緒に作業したので、まるでエッセイを読んだ面接官になり切ったかのようにさまざまな角度から質問を投げかけていただき、これも本番の面接に役立った。重ねて感謝している。

 

Lauren氏なしでは、私のIEへの出願~合格はなかったといってよい。皆さんもエッセイカウンセラー選びは、本当に良い方に巡り合えるよう、様々な情報ソースから比較検討いただいたほうがよいと思う。

Lauren氏のMBA Essay Consulting Service https://www.mbaessayeditor.net/

MBA受験記③GMATの悪夢

GMAT…個人的には、できればIEに進学した今、できれば思い出したくない。

ただ、それだと、自分の振り返りにならないと思うので、飛行機に乗る機会があったので一気に記憶を振り返ってみることとした。

GMATとはMBA受験にあたって大学院側から求められる能力適正テストで、TOEFLと異なり、1年間に5回までしか受けられないという回数制限が存在する。実は、他の専攻の欧米大学院は、たいていGREというほかのテストを採用しており、近年8割方のビジネススクールではこちらのGREでもスコア提出が可能である。それぞれの出題傾向には大きくことなる特徴があるものの、共通しているのは、英語で大学の授業を受けることができる英語力があるという前提で、国語(=英語)の読解、理論構築、文法訂正や英語での数学演算能力の適正を試されるテストとなる。私の場合はGMATしか勉強しなかったが、純ドメだった私、そしてGMAT受験時間が短くなってしまった私にとっては本当につらかった。

*実は、私が進学したIEは、もう一つ、学校独自の適正テスト(IEGAT)というものがあり、こちらでの出願も可能。GMATやGREのテストが微妙だとこちらの受験を勧められる。私もその口であった・・・。これはIEの面接等の回に詳細を回す

 

実はTOEFLに関しても、実はIELTSというケンブリッジ大学が実施ししている英語能力検定試験(もともと、英連邦の移民審査や留学生を対象としている)があり、こちらでもほぼ8割方のビジネススクールもスコア提出が可能である。これら2つのテストも、留学生の英語語学レベルを測定するという大枠は変わらないものの、出題傾向が全く異なる。TOEFLはすべてテストセンターでのコンピュータ試験に対し、IELTSはペーパーテスト+実際の人との面談である。

 

ここでテストの種類を述べることで何をお伝えしたいか、というと、みなさまにはきちんとこのテストの種類がそれぞれ英語と適正検査で2種類あり、そのどちらかがご自身にあっているかをカウンセラーさんや塾の先生と相談してから学習を始めるということである。ここで比較検討しないと、人によっては勉強時間や塾への投資にロスが生じる可能性が極めて高いからである。

 

たいていのMBA受験生は、ウェブの情報をかじり、「とにかくTOEFL+GMATだ!!」と私のように王道を突き進み、たいていどちらかで(どちらも)苦戦するのだが、そうではない選択肢があること事前に頭にいれてから、取るべき選択を決めておくべきである。当の私は、誰に相談する前に、TOEFL+GMAT直撃あるのみ!というパターンに勝手に決めてしまっていたので、最初のTOEFLが苦戦して1年かかってきた時点で、GMAT対策に大きなしわ寄せがでてしまった。TOEFL準備を開始して101点を取るまでに、なんと14年11月から15年12月まで1年1か月も費やしてしまったからである!

 

15年夏には、カウンセラー:木下氏からも、「16年春にどこか出願するんだったら、GMATそろそろ始めないとだめだよね」と言われ、この時点でGMATタイムアウトまでのカウントダウンが半年にせまっていることが発覚。実は16年春の出願は、当初は時間もないしできない、と見送っていた。しかし、自分の年齢を考慮すると、16年春入学で卒業して35代後半に突入=キャリアも考えると一刻も早いプログラム・インが望ましいということもあり、戦略的に16年春出願にも挑戦することとなったのであった。

つまり、16年春に出願する=16年春には遅くともエッセイとTOEFL/GMATすべてのスコアをそろえる必要がある=つまり、15年夏・冬で両方をとりきらないといけないことはわかっていたのだが、TOEFLだけしか15年夏までに手が回ってなかったことになるのである・・・。ここで木下氏がしんがりをつとめてくれていなかったら、と想像しただけで恐ろしくなる。

 

GMATは、Quantitative(数学)、Verbal(英語=その中でもSentence Correction/Critical Reasoning/Reading Comprehensionとセクションがわかれる)にAWA(ミニエッセイ)、Integrated Reasoningという大きく4パート構成のテストである。当初の勉強戦略は、Quantativeは自習(=マスアカ・・・Q用の参考書でウェブでみんな買っているそうです)をやればOK, VはSCとRCはTOEFLにないから単科で授業をとろう、という学習方針を木下氏と相談して決めた。

 

まず、TOEFLでも活用させていただいたYESの吉井先生が講師されている全16回のSC講座+GMAT文法講座を、15年夏から取り始めることにした。SCとはSentence Correctionの略で、GMATの英語の中でも最高峰に難しい!(と個人的には思う)セクションである。なんだ、文法訂正でしょ、と侮ることなかれ、ネイティブが見ても「どれでもいいんじゃない」という選択肢が4つ提示され、その中からロジックをもって正解を選び出さなければならないのである。

 

吉井先生の授業は、毎回過去問を事前に演習してきて、それを先生と答えあわせする形式なのだが、当初はこのセクションで日本人の理想といわれる正答率8割台には大幅に届かない最初4割台という惨状だった。すぐ吉井先生に相談したところ、そもそもGMATに耐えられる文法力がないかもね、ということになり、文法講座の受講にも相成った。この文法講座が、いくつかあるGMAT対策の塾の中でも一番印象に残っている授業であった。私たち世代(30代)は、中学から大学まで、基本的にはすべて英語を文法から学んできたはずなのだが、その中では教わらないこと、実は間違っていた!こと、アメリカ人(特にビジネススクールに行くようなビジネスマン)が使うべき書き方などを事細かに解説してくれる。留学経験のない私にとっては毎回ためになる話ばかりで、非常に参考になった。マドリードにも実は、英語ネイティブな元・ビジネスマンのクラスメイトとの格闘を想定して、お守り替わりにこの文法の授業のノートは持参している(笑)

 

SCの授業に戻ると、吉井先生は選択肢のもれなく正答であるか否かについて解説してくれるので、授業で不明な点は残らない。ただし毎回、相当な問題数(たしか25問くらい)があるため、すべてを時間をかけて予習し、解説を授業でノートに書き留め、復習していくのには相当な苦労がひつようである。ただ、そのSCの授業おかげ+文法の授業(全5回)がとり終わるころには、GMAT文法の基礎が整い、問題形式にも慣れてきたため、正答率が6~7割と安定してきた。

 

そこで次はCRだ!ということになり、カウンセラー:木下氏に紹介いただいたCRで定評のあるアフィニティ英語学院の飯島先生のRC講座を、15年11月から受講開始しした。CRとは英語のショートパラグラフを読み、それに対する設問の回答4択からロジカルに正しいものを選ぶという問題である。ですので、これも普通のネイティブはショートパラグラフの読解はできるけど、SC同様、ロジックがわからず沈没、というパターンが多い。私の印象だと、CRは読解というより、数学の真偽やベン図の授業でMECEの分け方等を習うが、このロジック推定に近い印象である。このあたりを飯島先生は問題ごとに「これはこのロジックパターンだよね」と解説してくれて、1問1問すっきりした答えに導いてくれる。これは、実はその後のMBAプログラム、そしてビジネスマンとしても必要なロジック構築力を鍛えることにもなるため、今後の人生にも役立つ授業となった。

 

そして16年1月、初めてGMATを受験。しかし、結果は大惨敗で500点にも届かず、思わずスコアキャンセルをその場でしてしまった。

 *スコアキャンセル:TOEFLと違い、GMATは良くなかった点数も含め、受験履歴をすべて大学院側に送付される仕組みになっているため、600点以上を示したい学生が400点台の点数を取ってしまうと印象が悪いのでキャンセル=なかったことにしてしまうのである。

ここにきて本当にGMATってやばいんだ、ってことを遅すぎるのだが実感。特にできると思っていた数学も伸び悩んでしまったため、木下氏に相談したところ、飯島先生の数学講座をすぐに受講するように指示をうけ、すでに1月開始の授業から滑り込みで受講を開始した。正直、マスアカでやったつもりになっていたが、自分だけで勉強しているとやはり詰めが甘く、マスアカでやったような問題なのに、解けなくなってしまっていた。問題は、問題文の英語を読解する力に加えて、文系(私だけ?)特有の「数学の問題をパターンで暗記しようとする」ところだった。飯島先生からは、文系でもともと数学が苦手だとすると、難しい解法パターンを今から習得しようとせず、極論手で数えたり書き出してできるものはベーシックな解き方にしていきましょう、というアドバイスをいただいた。実際、多くの問題は、難しい解法パターンを使わずとも、正答を導ける問題も多く、演習を重ねることで少しずつQuantitativeセクションへの不安が薄れ、自信へと変わっていった。最終的にQuantitativeは安定して40点ちかい点数を獲得することができた。

 

その後、GMATを2月3月と連続で受験。TOTAL620点を獲得し、あと一歩で600点台後半が取れるのでは?と思い、最後のVerbalパートの追い込みを飯島先生、そして同じくアフィニティの内宮先生にVerbalにて個別指導でお願いすることとなった。正直、この時にはすでにGMAT勉強にて自分の限界を感じてきており、この1か月で点数を詰め切らないと来年もう一度というのは相当つらい、と感じていたため、短期間に詰め込んでもらうことが目的だった。

 

そして臨んだ16年4月第4回。気合いをいれて臨んだものの・・・。

 

ここで痛恨ミス。まさかのスコアが500点代に逆流。ままこういうことはあると聞いていたがまさか自分に起こるとは。失意の中、あと1回受けるかも含め、速攻木下氏にテストの帰り道に電話でアドバイスを求めた。相当厳しいことを言われる(=今年の受験は無理だ!とか)ことを覚悟していたが、「とりあえず600点台は出ていて最低ボーダーは超えているのだから、失望しないで。今年の状況を見るとCambridgeは点数的に難しいが、IE専願にしてあとはエッセイに注力すれば十分戦えるのではないか」と温かい言葉をいただき、すぐにIE専願に向けてエッセイ作成にコマをすすめることにした。ここで私の短く苦しかったGMATと共に過ごした半年が終了したのであった。

 

最後になるが、GMATに関しては、本当にさまざまなブログにて「とにかく時間がかかる!」と出ていたが、自分にとってもMBA受験の中で一番苦戦したものとなった。とくに1月から3月の週末は、塾に行く以外はほとんど誰とも会わず家か図書館かカフェで勉強。飯もデリバリーかファーストフードで済ます生活。それでもやりきれたとはいえない状況で卒業となった。こうならないためにも、みなさんも最初から戦略的に、どのテストでスコアメイクするかを考えて行動いただければと思う。

MBA受験記②留学カウンセラーとの出会い、志望校選定

あっという間にこちらに滞在してから4週間が経とうとしている。さすがにこちらの生活には慣れてきたが、毎日付き合いで外食している(プレプログラム中の余裕?)なので、自炊がままなっていない・・・

 

さて、今回は、留学カウンセラーとの出会いと志望校について書こうと思う。

 

15年後半にTOEFLで苦戦状況に入りつつも、「とはいっても、エッセイとか受験校どこにするかとか先の話だし」とたかをくくり、カウンセラーの選定すらしていない状況で15年の夏を迎えていた。ただし、年齢的にもMBA留学するにはそこまで猶予もない(1年制の欧州MBAを漠然と狙っていたが、それらの学生の平均年齢レンジは欧州だと20代後半から30代はじめまでだった)ため、15年に受験し、16年~17年には留学できるのであればしてしまいたい、とは思っていたところだった。

 

そんな時、同じ会社の先輩で、MBA留学の先輩でもある方とランチをしたところ、「え、お前、カウンセラーまだ選んでないの!?来年の入学も検討しているのなら、今から選ばないといい人は全部予約で埋まっちゃうよ」とのアドバイスを頂戴する。そこで、急にやばい状況であることに気が付き、すぐに先輩に紹介していただいた日本人で名高い木下氏のもとに相談しに行った。たまたま、前回のTOEFLでも記載したY先生の塾でも彼のチラシが置いてあったことも、偶然ではあったが、彼にカウンセラーを決める動機となった。

 

まずは無料カウンセリングを1時間行い、どのようなカウンセリングサービスを提供いただけるかを伺った。それまでは、TOEFLの点数を取りきった後、GMATの勉強もすすめながらカウンセリングして志望校を決めていくものだと思い込んでいたが、どうやら逆で、志望校を定めたうえで、TOEFLとGMATのスコアメイキングやエッセイ作成に入っていくということが判明。この時点で出遅れを改めて痛感した。

まさに木下氏のカウンセリングは、その志望校を志すにあたって、MBA留学前の今のキャリアを見つめなおし、そして留学後のキャリアプランニングからはじまる。そして、これらのキャリアプランに基づいたTOEFLやGMATのスコアやエッセイのネタとなる各人のバックグラウンド情報の整理、そして最新の各学校の情報を基にした志望校の選定、そこに向けた学習計画の策定とコーチングまでを含む、非常に魅力的なサービスだった。どうしても、怠けがちな私は、会社の業務に長瀬レ、どうしても戦略だった学習計画ができていなかったので、初回カウンセリング後、すぐにカウンセリングプログラムを木下氏にお願いすることとした。

 

私の場合、以前書いたとおり、割とMBAで学びたい方向性は明確にはなっていたので、数回のカウンセリングでキャリアプランは設定できた。ただし、そのキャリアプラン実現に相性が良い学校の情報をどうやって調べたらよいかがわからなかった。当然、日本語で調べられる範囲の情報はウェブで調べたり、頑張って英語のサイトものぞいてみるのだが、どれも当然オフィシャルサイトや卒業生のサイトは「在校生、OBが感じた良いこと」が掲載されており、ニュートラルな判断がなかなかできない状況にあった。これを助けてくれたのがまさに木下氏だった。私のキャリアプランの方向性(ざっくりいうと、ダイバーシティがある海外で、または海外の人と一緒に、新規事業を立ち上げて、実行まで遂行したい)と、年齢的にも1年制のプログラムにしたい、という話をしたところ、欧州ビジネススクールがよいということになり、候補として以下の3校を提案いただいた。

IE Business School

Cambridge Judge business school

IMD

いずれも欧州のトップスクールで、世界的にもFinancial Timesで過去5年間ずっと10位前後にランキングされている人気校だ。ただし、お恥ずかしながら、この3校、この時点=15年7月時点ではどれもよくわからない!OBも知らない!という周回遅れの状況だった。

 

そこで、私の受験プロセスで、何度か無料セミナーに通いつつも最終的に受講までには至らなかった(本当にごめんなさい、タイミングの問題なんです・・・)最大手MBA予備校A社の主催するMBA留学フェアイベントに参加してみることにした。

会場には数十のMBAプログラムがブースを出されていて、その中にCambridgeとIMDはあったため、無事、OBに出会うことができ、各プログラムの特徴について知ることができた。たまたま、このイベント会場にて、元同僚の同じくMBAを志す後輩に出会ったり、同じ会社のMBA卒業済の後輩に出会ったりと、思わぬ再会も多々あったし、彼らと受験に際して、いろいろな有益な情報交換をすることができた。IEに関しては、このイベントには出ていなかったものの、IEが独自に毎月何らかの情報発信イベントを実施していることもあり、そこで後々情報収集することができたし、そのイベントで同じ会社で卒業生がいることも判明し、彼とのつながりもそこから作ることができた。この手のMBA紹介・交流イベントは、自分から積極的に行くべきものであることを実感した瞬間だった。

                                                       

カウンセリングの話に戻ると、志望校があらかた決まった時点で、TOEFLとGMATのスコアメイキングをどう進めるかに話が進む。学校によって傾向が明らかなようで、たとえばどんな良い職業バックグラウンドがあってもスコアが一定以下だと可能性があきらかに格段に下がる学校と、足切りの点数は設けているが、そこを超えたらあとはエッセイ+面接で勝負できる学校とにざっくりいうと2分されるようだった。

木下氏セレクトの上記3校だと、2016intakeだと、IEとIMDが後者、Cambridgeがどちらかというと前者という傾向があったため、2016intakeで受けるにあたっては、どれだけスコアメイキングができたかで決めよう、という話になった。ただ、IMDは、自分の会社に卒業生が複数名いたため、IMDを除き、IEとCambridgeに絞って検討することに。

 

結局、TOEFLの回で書いた通り、15年12月までTOEFLのスコアメイキングに手間取ってしまったため、GMATのスコアメイキングにちゃんと着手できたのが15年11月に入ってからになってしまい、その後、なかなか志望校が決められない状況になってしまった。最終的にGMATを最後受験したのが16年4月!になってしまったので、実のところこの時点まで志望校を決めきれない状況が続いてしまった。(詳しくはGMAT受験期で記載するが、本当に早期からのGMAT対策をお勧めする)

 

その間の4か月間、木下氏には、電話やスカイプを中心に、テスト勉強のコーチングをしていただき、本当に心の支えになった。受験のたびにGMATの点数を報告し、それに対応した塾や勉強方法を紹介いただき、ひたすらそれに従って勉強を進めていった結果、なんとかGMATでも最低ボーダーライン600点を超える620点を16年4月までに獲得することができたのであった。

ただし、16年intakeのCambridgeの受験状況を見ると、例年に増してテストのスコアを高く要求していることが判明し、この時点でIEに受験を一本化して作業を進めていくこととなった。

 

エッセイに関しては、キャリアプランニング段階で木下さんと日本語でベースの要素は整えていたため、これを英語で書き起こす作業が残っていた。ここで、木下氏から、エッセイカウンセラーのL氏をご紹介いただくこととなった。彼女のサービスも素晴らしく、4月からの1か月間でIEのトリッキーなメインエッセイ3題+スモールエッセイ+レジュメをすべて仕上げることができたのも幸運だった。(エッセイカウンセラーについては別の回で詳しく述べることとしたい)

 

最終的にギリギリの受験スケジュールをうまく取り仕切っていただき、IEにはその後、16年5月冒頭に出願し、5月後半に合格をもらうことができた。これも本当に、木下氏のおかげであると感謝している。

 

とにかく、これからMBAを受験する方には、カウンセラーの選定は早めに、ということを強くお勧めする。

MBA受験記①時間がかかったTOEFL

ようやくこちらにきて早くも3週間が経過。生活基盤が整ってきた。

スペインらしいこと(例;最終的な学生ビザ取得のために警察に行くアポをとらなければいけないんですが、それが2週間たっても日程が来ない)も多々ありつつ、楽しく暮らしている。プログラム開始前に少し旅行も行くことにした。

久々に東京にいたころなかった夢の8時間睡眠もとれてしまっている。

そんなこともあって、先輩学生には

「まだ本プログラムが始まっていないがゆえの余裕があるね」と意味深に言われたり・・・。

さて、今回から受験期を書くことにする。

 

先輩に刺激され、MBAを志すようになった30代のぼく。

前回お話ししたニューヨーク旅行から帰国直後、かれこれ2年ちょっと前の14年10月にいろいろとMBA受験について調べはじめたところ、

MBA受験にはTOEFLとGMATにて一定の得点を取ることが必須である

*並行して留学カウンセラーと進学先等の相談をする

*エッセイカウンセラーとともに大学に提出する入学選考書類(エッセイ)を英語で作り上げなければならない

ということが(主にウェブ情報から)わかった。

このときは、なるほどね、そういう手順でいけばできるのね、と安易に考えてしまったが、この見立ては相当甘かった。最終的には、かけたお金はテスト受験費用も考えると数百万、期間は1年半。

もっと効率的にできなかったものか、と今でも思うが、暗中模索の中で、短期間で準備していくには致し方ない金銭的・時間的な投資だったと自分を納得させている。ただ、後進の方々がこの情報をもとに、より効率的な塾投資ができれば、それにこしたことはないので、参考になるところを参考にしていただきたいと思いながら筆を執る。

 

今回は順を追って、TOEFLから。

多くのウェブの情報から、まずはTOEFLの準備をせねば、ということとなり、14年11月、当時四谷にあったI学院の門をたたいた。理由は単純明快で、30年以上の実績があったのと、その当時、海外大学院について調べていたとき巡り合った本が、I学院の院長先生によって監修されていたから、という事実であった。

まずは無料のカウンセリングを受けて、TOEICの点数(当時、たしか850点くらいだったと思う)を話したりしながら、TOEFLの第1関門となる100点越えをするためにどんなコースをとったほうがいいかをすり合わせた。その結果、まずは3か月フルパックコースに通学することとなった。フルパックとは、TOEFLの構成要素であるListening, Reading, Speaking, Writingをすべてカバーするコースで、ようはおんぶにだっこコースである。

*ちなみにTOEFLはこの各パート30点満点で、4パート合計120点満点で構成される。他のサイトで細かく説明されていると思うので、これ以上のテストの仕組みの説明は割愛する。

                                        

勉強を始めて衝撃的だったのは、各パート多々ある。

 

Listeningは、とにかく1つの設問で聞き取りをしなければいけない分量が多い。しかも質問は全体をばくっととらえてたらできる問題に加え、細部を尋ねる質問も多く、メモ取りをおろそかにしていると、あっというまに終了、ということになりかねない。長い文章を聞き取る耐久力(これは慣れはもちろん、根本的なリスニング力の強化)、そしてメモ取りテクニックが重要であることが分かった。

Readingは、私が結果的に労力をかけた分、伸びたパートであった。とにかく語彙力と読解スピードアップがポイントである。リスニング以上に長い文章と、現地(アメリカのテストなのでアメリカ)の高校生が基礎教養として持っている科学、社会、歴史分野のネタが題材になってくるので、彼らと同程度の語彙レベルがないとお話にならないのである。生まれて初めて単語帳を買って勉強し、多読も心掛けた。

Speakingは、私にとって一番衝撃的だった。とにかく時間がないし、点数がとれない。そもそも純ドメの僕にとって、いきなり15秒でお題に対する答えを60秒とか話せ、なんて無理・・・。最後まで相当手こずった。

Writingは、初期は一番点数を稼げたパートだが、後半なぜか不安定に。ただ、全般的にはどのセクションよりも安定していて、ある程度テンプレートを自分のものにし、アレンジしていけば乗り越えられるものだった。

 

だらっと各パートの受験した感想を書いてしまったが、じゃあ点数はどうだったの?という話。お恥ずかしながら、実は1年間で16回も受験しなければいけない羽目になってしまったのである・・・。言ってみれば完全に予想外に苦戦であった。

 

まずI学院入学して1か月後=14年12月に受けたTOEFLは、74点(R23 L22 W15! W14!)と完敗。で、その後、好きなパートの科目だけを3か月延長して受講し、自習も進めた結果、15年5月には5回目の受験で96点(R25, L26, S20,W25)と大幅改善した。本当にI学院のN先生、ありがとうございます。僕は本当にN先生にTOEFLの基礎は作ってもらったと思っています。

ここまでは順調だったので、すぐ100点は超えるだろう、と思っていたのだが、ここからが苦難の歴史の始まりだった。実はこの後最高得点を更新するまでに、4か月以上・9回の受験がさらに必要だったあまりか、点数もまさかの99点が数回連続するなど、なんともさえない結果に・・・。

 

その停滞期に、点数がとりにくかったSpeakingと点数が安定しないListeningを強化したいと思い、I学院の次に、Speakingは八重洲にある有名塾:E、Listeningは御徒町にあるこちらも評判の有名塾:Yに通学を始めた。Speakingは、Eに行くまで、どんな質問が来ても、無理やり話を自分が作ったテンプレートに当てはめていたが、もっとテンプレートを細分化しなければいけないことと、得点を取りやすいトピックの作り方があることを発見。そこからは支給される毎回の教材を徹底復習することで実力アップを狙った。同時に、オンライン英会話でカスタマイズレッスンに強いMにて、TOEFLスピーキングに特化したカリキュラムを組んでもらい、毎日30分、とにかく出題フォーマットになれることに徹した。しばらく19~20点台で停滞したものの、最終的には5か月を終えた後、日本人ネイティブの狙う最高得点・23点までSpeaking点数を引き上げることができた。

Listening に関しては、YESの吉井先生によるスパルタ・リスニングブートキャンプ!(先生、表現が悪かったら申し訳ありません)にお世話になった。内容はシンプルで、実際のTOEFLの過去問(想定問題?)を使って問題を解き、後半ですべての文章のディクテーションを1文1文、1語1句まで行っていくというもの。ディクテーションができているか否かは、指名された生徒が読み上げることになっているので、できないとこっぱずかしい。それまでは、なんとなくバックり聞いて、理解していたつもりになっていたのだが、これでは細部をつつく問題には太刀打ちできない。それを初回の授業で指名をされて、早速ばれてしまったのであった。

そんな中での先生の名言。それは「赤んぼのように2年間24時間ずっと英語をインプットされ続ければ、当然英語は上達するだろう。ただ、そんなこともう君たちできないよね?あと、耳ってどんどん退化していくから、同じことしたとしても、子供のようにすべて吸収できないよね?そんな僕らが対抗するなら、やっぱ知識でしょ。文法知識を持って、聞き取れない単語を推測しながら進める、これが正しい道である」というもの。これは全く同意である。本当に、ここで、英語の学習に対する姿勢(ある程度年が行ってしまったら、習うより慣れるではなく、理屈をもって勉強するべきである)を学ばせてもらった。

 

そして、最後のブラッシュアップとして、こちらもウェブで評判のA先生が主催されている1日TOEFL塾にもお世話になった。これは都内の公民館で月に何度か、A先生が少人数で各パートの強化授業を行っていただくというもの。10数回受験後だったので、TOEFLにだれてしまっていたころだったが、改善ポイントを的確に指摘いただけて、参考になった。

 

これらの積み重ねがあった結果、15年12月、回数にして15回目に、ようやく101点(R29, L26, S23, W23)を達成したのである。結果、これが私のMBAへの出願スコアとなった。

このテスト、本当になめてはいけない。なぜ100点取るのにこんな回数かかってるんだ、という疑問を持たれたかたもおられると思うが、このテストのポイントは、各パートの合算が点数となっており、どれか一つのパートがうまくいっても、どれかコケると、合計点数が伸びない。つまり、僕のように、純ドメで、ある程度の英語レベルになると、あとはスロットマシーンのように、問題内容の運、という側面も否定できないからである。実際、この15回目の点数も、Wがベストより4点も低く、おかげさまで、最終目標だった105点は取り逃してしまった。

 

今回はここまで。TOEFLについて語りだすときりがない。結構参考書も買ったし、当時できる手立ては結構試してみた気がする。が、それでも1年みっちりかかった。これがこの後のGMAT対策に尾を引いてくることになる・・・。